○春日・大野城・那珂川消防組合情報公開条例

平成28年3月30日

条例第3号

春日・大野城・那珂川消防組合情報公開条例(平成19年条例第2号)の全部を改正する。

目次

第1章 総則(第1条・第2条)

第2章 行政文書の開示(第3条―第11条)

第3章 審査請求(第12条―第16条)

第4章 補則(第17条―第20条)

附則

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、住民の知る権利と地方自治の本旨にのっとり、春日・大野城・那珂川消防組合(以下「組合」という。)が保有する行政文書の公開について必要な事項を定めることにより、組合が住民に説明する責務を全うするとともに、住民の組合に対する理解と信頼を高め、もって公正で開かれた組合運営の確保に寄与することを目的とする。

(定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 実施機関 組合長、監査委員及び消防長並びに議会をいう。

(2) 行政文書 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られる記録をいう。以下同じ。)であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものをいう。

第2章 行政文書の開示

(開示請求)

第3条 何人も、この条例の定めるところにより、実施機関に対し、行政文書の開示を請求することができる。

2 前項の規定による開示の請求(以下「開示請求」という。)は、規則で定める事項を記載した請求書(以下「開示請求書」という。)を実施機関に提出してしなければならない。

3 開示請求書の提出方法は、情報化の進展状況等を勘案して規則で定める。

4 前2項の規定にかかわらず、第18条に掲げる行政文書その他これに類するものについては、口頭により開示請求をすることができる。

5 実施機関は、開示請求をした者(以下「開示請求者」という。)に対し、春日・大野城・那珂川消防組合行政手続条例(平成13年条例第2号)第7条の規定により相当の期間を定めて開示請求書の補正を求めるほか、次に掲げる場合で開示請求に係る行政文書の開示の可否の決定(以下「開示可否決定」という。)に支障があると認めるときは、行政文書の特定に必要な事項について確認し、又は相当の期間を定めて開示請求書の補正を求めるものとする。

(1) 開示請求に係る行政文書の範囲が客観的に判断できないため、当該行政文書の識別ができない場合

(2) 開示請求に係る行政文書の範囲が著しく広範な場合

(3) その他開示請求に係る行政文書の特定が困難であると認められる場合

6 実施機関は、前項の規定により開示請求書の補正を求める場合は、開示請求者に対し、当該補正の参考となる情報を提供するよう努めなければならない。

(開示請求の却下)

第3条の2 実施機関は、次に掲げる場合は、開示請求を却下することができる。

(1) 前条第5項の規定により定めた期間を経過してもなお開示請求者が正当な理由なく適切な補正を行わないことにより開示可否決定ができない場合

(2) 開示可否決定を受けたにもかかわらず正当な理由なく同一の内容の開示請求を何度も繰り返し行うこと等により当該開示請求が権利の濫用に当たると認められる場合

(行政文書の開示義務)

第4条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に次の各号に掲げる情報(以下「不開示情報」という。)のいずれかが記録されている場合を除き、開示請求者に対し、当該行政文書を開示しなければならない。

(1) 個人に関する情報(事業を営む個人の当該事業に関する情報を除く。)であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することにより、特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)又は特定の個人を識別することはできないが、公にすることにより、なお個人の権利利益を害するおそれがあるもの。ただし、次に掲げる情報を除く。

 法令(条例を含む。以下同じ。)の規定により、何人でも閲覧することができる情報

 公にすることを目的として作成され、若しくは取得され、又は公にすることが予定されている情報

 人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報

 公務員(独立行政法人等(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律(平成13年法律第140号)第2条第1項に規定する独立行政法人等をいう。以下同じ。)及び地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)第2条第1項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)の役員及び職員を含む。)の職務の遂行に係る情報(当該公務員の職及び氏名を含む。)であって、他の各号に該当しないもの

(2) 法人その他の団体(国、独立行政法人等、地方公共団体及び地方独立行政法人を除く。以下この号において「法人等」という。)に関する情報又は事業を営む個人の当該事業に関する情報であって、公にすることにより、当該法人等又は当該個人の権利、競争上の地位その他正当な利益を害するおそれがあるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。

(3) 国、独立行政法人等、他の地方公共団体及び地方独立行政法人(以下「国等」という。)以外の者から、公にしないとの条件で任意に提供された情報であって、通例として公にしないこととされているものその他の当該条件を付することが当該情報の性質、当時の状況等に照らして合理的であると認められるもの。ただし、人の生命、健康、生活又は財産を保護するため、公にすることが必要であると認められる情報を除く。

(4) 組合又は国等の内部又は相互間における審議、検討又は協議に関する情報であって、公にすることにより、率直な意見の交換若しくは意思決定の中立性が不当に損なわれるおそれ、不当に住民の間に混乱を生じさせるおそれ又は特定の者に不当に利益を与え、若しくは不利益を及ぼすおそれがあるもの

(5) 組合又は国等が行う監査、検査、取締り、試験、契約、交渉、争訟、調査研究、人事管理その他の事務事業に関する情報であって、公にすることにより、当該事務事業の性質上、その適正な遂行に支障を及ぼすおそれがあるもの

(6) 公にすることにより、社会的差別につながるおそれがあると認められる情報

(7) 公にすることにより、人の生命、身体、生活、健康、名誉若しくは財産の保護又は犯罪の予防、犯罪の捜査その他の公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがある情報

(8) 法令の規定により、公にすることができないとされている情報

2 実施機関は、開示請求に係る行政文書の一部に不開示情報が記録されている場合において、不開示情報が記録されている部分を容易に区分して除くことができるときは、開示請求者に対し、当該部分を除いた部分につき開示しなければならない。

(裁量的開示)

第5条 実施機関は、開示請求に係る行政文書に不開示情報が記録されている場合であっても、公益上特に必要があると認めるときは、開示請求者に対し、当該行政文書を開示することができる。ただし、当該不開示情報が前条第1項第8号に掲げるものである場合を除く。

(行政文書の存否に関する情報)

第6条 開示請求に対し、当該開示請求に係る行政文書が存在しているか否かを答えるだけで、不開示情報を開示することとなるときは、実施機関は、当該行政文書の存否を明らかにしないで、当該開示請求を拒否することができる。

(開示請求に対する措置)

第7条 実施機関は、開示請求があったときは、その請求があった日の翌日から起算して14日(第3条第5項の規定により開示請求書の補正を求めた場合にあっては、当該補正に要した日数は算入しないものとする。)以内に開示請求の却下又は開示可否決定(以下「開示決定等」という。)をし、規則で定めるところにより開示請求者に通知しなければならない。

2 前項の規定にかかわらず、実施機関は、事務処理上の困難その他正当な理由があるときは、同項に規定する期間を16日以内に限り延長することができる。この場合において、実施機関は、規則で定めるところにより開示請求者に通知しなければならない。

3 実施機関は、次の各号に掲げる場合のいずれかに該当するときであって、開示請求があった日の翌日から起算して30日(第1項に規定する補正に要した日数は算入しないものとする。)以内に全ての開示可否決定をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがあるときは、前2項の規定にかかわらず、開示請求に係る行政文書のうち相当の部分につき当該期間内に開示可否決定をし、残りの行政文書については相当の期間を定めて順次開示可否決定をすることができる。

(1) 開示請求に係る行政文書が大量である場合

(2) 災害その他のやむを得ない事由がある場合

4 前項の場合において、実施機関は、規則で定めるところにより次に掲げる事項を開示請求者に通知しなければならない。

(1) 前項の規定を適用する旨及びその理由

(2) 開示請求に係る全ての行政文書について開示可否決定をする期限

5 実施機関は、第1項から第3項までの規定により開示の決定をした行政文書については、直ちに開示しなければならない。ただし、次条第3項に規定する反対意見書が提出されている場合及び第14条に規定する場合は、この限りでない。

6 実施機関は、開示決定等のうち、開示請求の却下又は開示請求に係る行政文書の全部若しくは一部の不開示の決定をするとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき及び開示請求に係る行政文書を保有していないときを含む。)は、当該開示決定等の通知に当該却下又は決定の理由(その根拠を、その記載自体から理解できる程度のもの)を付記するとともに、審査請求及び取消訴訟を提起することができる旨の教示その他所要の教示をしなければならない。

7 前項の場合において、一定の期間の経過により当該行政文書の全部又は一部を開示できることが明らかであるときは、その旨を開示請求者に通知するものとする。

(第三者に対する意見書提出の機会の付与等)

第8条 開示請求に係る行政文書に組合、国等及び開示請求者以外の者(以下「第三者」という。)に関する情報が記録されているときは、実施機関は、開示可否決定をするに当たって、当該情報に係る第三者に対し、意見書を提出する機会を与えることができる。

2 実施機関は、次の各号のいずれかに該当するときは、開示請求に係る行政文書を開示する決定(以下「開示決定」という。)に先立ち、当該第三者に対し、規則で定める事項を通知して、意見書を提出する機会を与えなければならない。ただし、当該第三者の所在が判明しない場合その他やむを得ない理由がある場合は、この限りでない。

(1) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を開示しようとする場合であって、当該情報が第4条第1項第1号ウ第2号ただし書又は第3号ただし書に規定する情報に該当すると認められるとき。

(2) 第三者に関する情報が記録されている行政文書を第5条本文の規定により開示しようとするとき。

3 実施機関は、前2項の規定により意見書の提出の機会を与えられた第三者が当該行政文書の開示に反対の意思を表示した意見書(以下「反対意見書」という。)を提出した場合において、開示決定をするときは、開示決定の日と開示を実施する日との間に少なくとも2週間を置くとともに、開示決定後直ちに、当該第三者に対し、開示決定をした旨その他規則で定める事項を通知しなければならない。

(開示の実施)

第9条 行政文書の開示は、文書又は図画については閲覧又は写しの交付により、電磁的記録については情報化の進展状況等を勘案して規則で定める方法により行う。

2 閲覧の方法による行政文書の開示は、当該行政文書の保存に支障を生ずるおそれがあるときその他正当な理由があるときは、その写しにより、これを行うことができる。

(他の法令による開示の実施との調整)

第10条 実施機関は、他の法令の規定により、開示請求者に対し開示請求に係る行政文書が前条第1項に規定する方法と同一の方法で開示することとされている場合(開示の期間が定められている場合にあっては、当該期間内に限る。)には、同項の規定にかかわらず、当該行政文書については、当該同一の方法による開示を行わない。ただし、当該他の法令に一定の場合には開示をしない旨の定めがあるときは、この限りでない。

2 他の法令の規定に定める開示の方法が縦覧であるときは、当該縦覧を前条第1項の閲覧とみなして、前項の規定を適用する。

(費用負担)

第11条 この条例の規定に基づき行政文書の写し(電磁的記録を電磁的媒体に複写したものを含む。)の交付を受ける者は、規則で定めるところにより当該写しの交付に係る費用を負担しなければならない。

第3章 審査請求

(審査請求)

第12条 この条例に基づく開示決定等又は開示請求に係る不作為に対し不服がある者は、実施機関に対して審査請求をすることができる。

(諮問)

第13条 行政不服審査法(平成26年法律第68号)第43条第1項の規定は、前条の審査請求(組合長に対するものを除く。)について準用する。この場合において、同項中「審理員意見書の提出を受けたときは」とあるのは、「審査請求があったときは」と読み替えるものとする。

(第三者からの審査請求等に対する措置)

第14条 次の各号のいずれかに該当する場合は、第8条第3項の規定を準用する。

(1) 第三者からの審査請求を却下し、又は棄却する決定をするとき。

(2) 第三者である参加人が開示に反対の意思を表示している場合に、審査請求に係る開示可否決定を変更し、当該行政文書を開示する旨の決定をするとき。

2 実施機関は、第三者である審査請求人から申出があったとき、又は必要があると認めるときは、春日・大野城・那珂川消防組合行政不服審査会(以下「審査会」という。)から答申を受けるまでの間、開示決定をした行政文書の開示をしないことができる。

(審査会の調査権限)

第15条 審査会は、必要があると認めるときは、諮問をした実施機関に対し、開示可否決定に係る行政文書の提示を求めることができる。この場合において、当該実施機関は、行政文書の提示を拒んではならない。

(審査会への報告)

第16条 実施機関は、行政文書の全部を開示する旨の決定以外の措置及び反対意見書が提出された場合に行った開示決定について、毎年1回、審査会に報告するものとする。

第4章 補則

(開示請求をしようとする者に対する情報の提供等)

第17条 実施機関は、開示請求をしようとする者が容易かつ的確に開示請求をすることができるよう、行政文書の特定に資する情報の提供その他開示請求をしようとする者の利便を考慮した適切な措置を講ずるものとする。

(行政文書の情報提供)

第18条 実施機関は、同一の行政文書につき複数回開示請求を受けてその都度開示をした場合等で、住民の利便及び行政運営の効率化に資すると認められるときは、当該行政文書に係る情報を提供するよう努めるものとする。

(報告及び公表の義務)

第19条 組合長は、毎年1回この条例の運用の状況について議会に報告し、かつ、一般に公表しなければならない。

(委任)

第20条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。

(施行期日)

1 この条例は、平成28年4月1日(以下「施行日」という。)から施行する。

(経過措置)

2 この条例の施行の際現にされている改正前の春日・大野城・那珂川消防組合情報公開条例(以下「旧条例」という。)第6条第1項の規定による開示請求は、改正後の春日・大野城・那珂川消防組合情報公開条例(以下「新条例」という。)第3条第2項の規定による開示請求とみなす。

3 この条例の施行の際現にされている旧条例第16条の規定による不服申立てについては、新条例の規定にかかわらず、なお従前の例による。

4 前2項に規定するもののほか、施行日前に旧条例の規定によりした処分、手続その他の行為は、新条例中にこれに相当する規定がある場合には、当該相当する規定によりしたものとみなす。

5 この条例の施行の際現に春日・大野城・那珂川消防組合情報公開審査会の委員である者の任期が満了するまでの間は、新条例第13条及び第14条第2項の規定は適用せず、旧条例第17条、第18条第2項、第19条(第4項を除く。)、第20条及び第21条の規定は、なおその効力を有する。この場合において、これらの規定中「不服申立て」とあるのは「審査請求」と、「不服申立人」とあるのは「審査請求人」と読み替えるものとする。

6 前項の場合における審査請求については、行政不服審査法(平成26年法律第68号)第9条第1項の規定は、適用しない。

7 この条例の施行の際現に春日・大野城・那珂川消防組合情報公開審査会の委員である者(施行日以後に当該委員である者の補欠の委員となる者を含む。)及び施行日前に春日・大野城・那珂川消防組合情報公開審査会の委員であった者については、旧条例第19条第4項の規定は、なおその効力を有する。

春日・大野城・那珂川消防組合情報公開条例

平成28年3月30日 条例第3号

(平成28年4月1日施行)