○職場におけるハラスメントの防止に関する規程
令和6年6月11日
訓令第10号
職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止に関する規程(平成11年訓令第10号)の全部を改正する。
(趣旨)
第1条 この規程は、職場におけるハラスメントを防止し、良好な職場の環境を確保するため、必要な事項を定めるものとする。
(1) ハラスメント 次に掲げる行為をいう。
ア セクシュアルハラスメント(対価型セクシュアルハラスメント(性的な言動に対する職員の対応により当該職員の労働条件につき不利益を生じさせる行為をいう。)及び環境型セクシュアルハラスメント(性的な言動により職員の就業環境又は生活環境を害する行為をいう。)をいう。)
イ パワーハラスメント(職務上の地位若しくは権限又は職場内の優位性(直属の上司はもちろんのこと、直属の上司以外であっても、先輩後輩関係などの人間関係により、相手に対して実質的に影響力を持つ場合のほか、キャリアや技能に差のある同僚や部下が実質的に影響力を持つ場合を含む。)を背景に、業務の適正な範囲を超えて職員の人格や尊厳を侵害する言動を行うことにより、当該職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、又は職場の環境を悪化させる行為をいう。)
ウ ジェンダーハラスメント(性別による区別に関する固定的な意識を基に、職員に対してその意思に反する言動を強制し、又はその人格と尊厳を侵害する言動を行うこと等により、当該職員に精神的又は身体的な苦痛を与える行為をいう。)
エ 妊娠、出産、育児又は介護に関するハラスメント(職員が妊娠、出産したこと、若しくは不妊治療を受けること又は妊娠、出産、育児若しくは介護に関する制度又は措置の利用に関する言動により、当該職員に精神的若しくは身体的な苦痛を与え、人格若しくは尊厳を害し、又は就業環境を害すること若しくは労働条件につき不利益を生じさせる行為をいう。)
(2) 職場 職員が通常勤務する事務所その他の職員の職務の遂行に関連する全ての場所をいい、また、勤務時間内に限らず実質的に職場の延長とみなされる勤務時間外も含むものとする。
(3) 職員 任命権者が任用する職員、消防組合の業務に従事する労働者及びこれらに準ずる者をいう。
(任命権者の責務)
第3条 消防長は、ハラスメントの防止等に関し、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) この規程に規定する事項を全ての職員に周知するとともに、ハラスメントの事例、発生の原因、背景等について周知し、及び啓発するための必要な研修を実施すること。
(2) ハラスメントを行った職員に対する懲戒処分に関し必要な事項を定め、その内容を職員に周知するとともに、ハラスメントに起因する問題が生じた場合には、当該ハラスメントを行った職員に対する懲戒処分を含めた措置を迅速かつ適切に講ずること。
(所属長の責務)
第4条 所属長は、ハラスメントの防止等に関し、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 全ての職員がそれぞれ対等なパートナーとして業務を遂行できるよう、良好な職場の環境を確保するとともに、自らの言動がハラスメント又はこれを誘発する言動とならないよう常に留意すること。
(2) 職場の言動に常に留意し、ハラスメント又はこれを誘発する言動があった場合には、注意を喚起すること。
(3) 職場においてわいせつ図画その他のハラスメント又はこれを誘発する図画の掲示又は配布等があった場合には、これらを直ちに排除すること。
(4) 前2号に規定する場合には、直ちに次長へ報告すること。
(5) 職員から相談若しくは苦情があった場合又は次条第3号に規定する職員からの報告を受けた場合には、直ちにこれに対応するとともに次長へ報告し、総務課人事企画係と必要な連絡調整を行うこと。
(職員の責務)
第5条 職員は、ハラスメントの防止等に関し、次に掲げる措置を講じなければならない。
(1) 自らの言動がハラスメント又はこれを誘発する言動とならないように常に留意すること。
(2) この規程に基づき実施される研修、指導その他の措置に協力すること。
(3) ハラスメントが行われたこと又は現に行われていることを把握した場合には、所属長又は次条に規定する相談苦情処理担当へ報告すること。
(相談苦情処理担当の設置)
第6条 ハラスメントに関する相談又は苦情に対応するため、総務課人事企画係に相談苦情処理担当(以下「担当」という。)を置く。
2 担当は、消防長が任命する男性職員、女性職員各1人以上及び総務課人事企画係をもって構成するものとする。
3 担当は、ハラスメントの被害者からの相談又は苦情のみではなく、他の職員からの相談又は苦情についても、これに対応するものとする。
4 担当は、ハラスメントが行われた場合若しくは現に行われている場合における相談又は苦情のみではなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、ハラスメントが行われるおそれがある場合における相談又は苦情についても、これに対応するものとする。
5 担当は、ハラスメントに該当することが明確である事案に係る相談又は苦情のみではなく、ハラスメントを未然に防止する観点から、必ずしもハラスメントに該当することが明確ではない相談又は苦情についても、これに対応するものとする。
6 担当は、必要に応じて第三者である専門家を加えて相談又は苦情に対応することができるものとする。
7 担当は、相談等整理簿によって、ハラスメントに関する相談又は苦情の内容等を記録するものとする。
(1) 総務課人事企画係に事実関係の調査及び確認を行わせ、ハラスメントが行われたこと又は現に行われていることを確認した場合は、速やかに消防長に報告すること。
(2) 事案の内容及び状況から判断して、次条第1項のハラスメント苦情処理委員会で処理することが適当であると認める場合又は相談若しくは苦情を行った職員(以下「相談者」という。)が希望する場合は、ハラスメント苦情処理委員会を招集し、その処理を依頼すること。
(3) 相談者や他の職員が、相談若しくは苦情を行ったこと又は事実関係の調査及び確認に協力したことを理由に不利益な取扱いを受けないようにすること。
(委員会の設置)
第8条 ハラスメントに関する相談又は苦情に適切かつ効果的に対応するため、ハラスメント苦情処理委員会(以下「委員会」という。)を設置する。
2 委員会は、ハラスメントに関する相談又は苦情のうち前条第2号に掲げる措置としてその処理を依頼された事案について、事実関係を調査し、必要な対応その他の措置について消防長に報告するものとする。
3 委員会は、次に掲げる委員をもって組織する。
(1) 次長
(2) 消防署長
(3) 総務課長
(4) 総務課人事企画係長
(5) 相談者が職員のうちから指名する者 4人(不足する場合は委員長が指名する。)
(6) 消防長が必要と認める専門的な知識を有する職員以外の者 1人以上
4 委員がハラスメントの被害者、加害者等の当事者又は関係者であるときは、これを除くものとする。
5 委員会に委員長を置き、次長をもって充てる。
6 委員長は、会務を総括し、委員会を代表する。
7 委員会の庶務は、総務課人事企画係において処理する。
2 消防長は、確認したハラスメントの事実により行為者及びその所属長に対し懲戒処分を含む措置を講ずる場合(消防長自身に対する措置を含む。)においては、必要な調整を行うものとする。
(プライバシーの保護等)
第10条 ハラスメントに関する相談又は苦情に関わる者は、当該相談又は苦情に関係する者(以下「関係者」という。)のプライバシーの保護及び秘密の保持を徹底し、関係者が不当に不利益な取扱いを受けないよう留意しなければならない。
(再発防止)
第11条 消防長は、ハラスメントが行われた場合又は行われたことが疑われる場合においては、その再発の防止に向けた措置について必要な調整を行うものとする。
(補則)
第12条 この規程に定めるもののほか、必要な事項は別に定める。
附則
(施行期日)
1 この訓令は、公布の日から施行する。
(職場におけるパワーハラスメントの防止に関する規程の廃止)
2 職場におけるパワーハラスメントの防止に関する規程(平成26年訓令第12号)は、廃止する。